★気ままに自宅で映画観賞★

  あれこれ好き勝手に映画感想。カクヨムでもあれこれ執筆活動中。

舟を編む

          

 

原作は三浦しをんの小説で、公開は2013年です。視聴はたぶん三度目くらいでしょうか。穏やかなのに張り詰めてる空気感が絶妙で飽きてしまいそうなのに引き寄せられてると、夏の砂浜の波のような味わいがあります。一見、意味不明なタイトルも次第にそれが唸りを伴って理解できるようになり、同時に一冊の辞書の重さも痛感させてくれるはず。枕元に置いた古い辞書が捨てられないのはこの映画のせいかもしれないと、ふと思ってしまうことがありますが、ネットでなんでも調べられる時代とは言え、紙の媒体の存在感を改めて感じさせてくれる二時間です。そのため好きな邦画を問われた際につい名前をあげたくなる一本で、今回も言葉の奥深さと自分の無知さを教えてもらったような気がします。ブログや小説の真似事をしてる私もまだまだ鼻タレの領域。まだまだ覚えることはごまんとあるぞと、見終わった時に感じる清々しい風が心地いいです。

 

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御法度

          

 

AZMさんが紹介されていた映画を見ました。記事は読んだものの、誰が出ていたのか忘れてしまっていました。それがかえって良かったのかもしれません。出てくる俳優陣にオッて何度もなりました。ただし、監督だけは覚えていて脚本も手掛けているんですね。大島渚。残念ながらこの1999年の作品が遺作になってしまったようですが、彼の名前を見るだけで一風変わった作品じゃないかと想像させます。時代背景もそうですが、時折出る字幕も無声映画風で新鮮です。とは言え学のない私にはこれがわかりにくい。あれこれ考えているうちに次の場面に行ってしまいます。こんなこともあるかもしれないという内容ですが、こんな時代劇があっただろうかと思わず記憶をまさぐったほど衝撃的でもあります。淀川長治賞受賞というのも見終われば合点がいく。新鮮味は十分ながらこの俳優陣で緊迫感が張り詰めた本格時代劇版も見たかったような気もしますね。

 

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沈まぬ太陽

          

 

衝撃的なオープニングは御巣鷹山に墜落した123便旅客機を描いたもので、1985年の8月の出来事でした。ご遺族の方にすれば見たくもない映像かもしれませんが、同時に多くの方に忘れてもらっては困る大惨事でもあります。これを観るのは二度目になりますが、内容から映像化は不可能と言われただけあって一言で大作と呼べる一本に入るのではないでしょうか。途中で休憩が入る上映時間もしかり。三時間を超えますからね。それでも食い入るように見てしまう。もちろん途中休憩はしましたけど。豪華な俳優陣もそれぞれの役どころで魅せてくれます。原作は山崎豊子。航空機事故から始まり、その会社の内部や政治まで発展していくところは見応え度もかなりのもの。当然、内容は複雑化しているのでそれなりに頭は使います。ただし、難解のレベルではなく、人間のしがらみの世界に引き寄せられていく感じでしょうか。思わず唸ってしまう映画ですね。

 

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マリグナント 狂暴な悪夢

     

          

 

インパクトのあるジャケットです。もう見るからに怖そうな映画だと思わせます。ジャンルはさすがにこの絵で恋愛はないでしょうが、初っ端からけっこうスリリングで心臓がたびたび跳ね上がる感じです。2021年とあって映像もキレイですし、見せ場のCGなども今どきの技術を感じさせますね。悪魔がらみのホラーなのかとずっと思っていたんですが、これが徐々にそうでもなさそうだと今度は怖さの中に疑問符が浮かび始める。謎解きのような展開もミックスされて、なんだか一粒で二度美味しいような感覚に襲われますね。無駄がないようなテンポも見ている側を飽きさせなくていい。絶えず緊張感が伴っていて、終わりまでゾクゾクっと楽しめます。主演はイングランドの女優であるアナベル・ウォーリス。映画内ではグロイシーンも多々あるのでR18+指定となっております。可能ならば部屋を真っ暗にして、大音量のヘッドホンがおススメですかね。

 

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truelies1.hatenablog.jp

スーパーガール

          

 

まさか女性版が登場するとは、と当時は誰もが思ったのではないでしょうか。一歩間違うとどこぞかの店のコスプレかと錯覚してしまうほどで、スカートから覗く足に目を奪われます。ただしセクシー過ぎないところが良いかもしれません。演じたのはヘレン・スレイター。1984年公開時点ではおいくつだったのかと調べたら21歳。チャーミングで掘りの深い顔が素敵です。参考までに吹替は石川秀美が担当してます。ややぎこちないのはご愛敬ってところでしょうか。一方、懐かしい声も聴けました。野沢那智です。アニメでも洋画でも二枚目と言えば定番でしたね。この映画はかなり前に見たので、なんとなくしか覚えておりませんが、久しぶりに見て思ったのは現代との映像のクオリティの違いです。あの頃にしたら凝った映像なんでしょうが、今見るとどうしても古さを感じてしまう。これも古い特撮の宿命かもしれませんが、それなりに楽しめる作品です。

 

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優駿 ORACIÓN

          

 

宮本輝の小説を映画化したのが1988年に公開された本作。競走馬のことはほとんど知らないため、新鮮に見ることが出来ましたが、実際のところそのご苦労は上映時間だけではホンの僅かでしかないでしょう。北海道ならではの美しい風景と広々した台地で走る馬はさすがに絵になりますね。誕生からダービーまでを描いた物語は同時に親子愛も盛り込まれています。馬もそうですし人間も同様。そのためか牧場の親子を演じるのは本物の親子で、緒形拳緒形直人。さらには仲代達矢に名わき役でもある田中邦衛と贅沢な顔ぶれ。台詞のない数秒少々の表情に目が奪われてしまいます。さすがにこのメンバーですと若手の演技が物足りなく感じてしまうのは致し方がないでしょうね。若さというのは出ていましたが。やや出来過ぎと言った終わり方でしたが、何か万々歳じゃないところが、うまくバランスを取っていたような気もします。心に染み入る一本です。

 

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星の子

          

 

今村夏子の長編小説が原作で、タイトルからファンタジーを思い浮かべたのですが、見始めるとなんだか怪しい雰囲気が漂ってきます。信ずるものは救われるという世界。わかるかな~。わかんねぇだろうな~。シャバダダバダと松鶴家千とせの声が思わず聞こえてきそうです。子供を救いたい一心で怪しい新興宗教にハマっていく両親。藁にも縋りたいとはよく言ったものです。主演は蘆田愛菜。小っちゃい頃の愛菜ちゃんは外国の映画で見た記憶があり、最近では象の鼻に摑まったり、「博士ちゃ~ん」と声を掛ける姿しか思い浮かばないので、なんだかこのくらいの愛菜ちゃんを映画で見るのは新鮮です。何歳なのかはわかりませんが、大人っぽい雰囲気がありますね。比較的無口な役どころなので演技は簡単ではなかったのではないでしょうか。簡単じゃないのは内容も同様。特にエンディングはモヤモヤした形のままで終わってしまう。後味が悪かった。

 

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