年開け早々に相応しい映画とは言えないでしょうが、平々凡々と過ごす自分を少しばかり引き締めても良いだろうと07年公開の本作を選びました。石原慎太郎が脚本から製作総指揮まで手掛けた太平洋戦争末期が舞台で、百田尚樹の永遠の0と重なる部分も多々ありました。それは特攻を描いている以上当然のこととも言えるでしょう。さらには暮れに見た日本のいちばん長い日も頭の中に浮かんできました。戦争を美化していると映画も見ずに批評した方もおられるようですが、上記の作品同様、賛美している等と申す方が疑問にすら思えます。2時間越えの本作は戦闘シーンよりも特攻隊員の生き様に的を絞っていて、彼らの心情や彼らを取り巻く家族等々の思いが見る側に強いメッセージとなって訴えかけて来ます。尚、役所広司の息子である橋本一郎のデビュー作品でもあるようですが、時間の経過と共にじわじわと染み入って、心で味わうかの映画でした。
●ちょっとひとこと●
新年、あけましておめでとうございます。災害、増税等々、いろいろあった令和元年ですが、そういった類の話は映画の中だけであって欲しいとただただ願うばかりです。先々のことを考えると決して楽観的でも居られませんが、今年も見た映画の感想を、気ままに綴って行けたらと思っておりますので、皆様ひとつお手柔らかにお願いします。