★気ままに自宅で映画観賞★

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太平洋ひとりぼっち

          

 

オープンカーから颯爽と飛び降り台詞少なめの渋い印象のある裕次郎だが、本作は1963年公開とあってとにかく若々しいの一言に尽きる。原作は堀江謙一の手記で映画公開の前年に三ヶ月かけて太平洋を単独無寄港横断に成功。従って実話を基にした作品ということになる。なお本作は石原プロモーション映画製作第一回作品とのこと。監督は市川崑である。その市川は本作を失敗作と評したらしいが、見ている分にはそんな印象は受けなかった。無鉄砲にチャレンジする若者の勢いや苦悩は十分に感じられたし、自然との格闘シーンも迫力があり、ふと目的こそ違えど老人と海が頭に浮かんだりもしただろうか。大冒険と裕次郎を堪能する一本であることは確かで、大袈裟にいえば映画の8割方は裕次郎の関西弁という感じだ。ひとりぼっちでありながら一人舞台とも言える。他の登場人物はすべてが裕次郎の陰に隠れてしまうほどの魅力を全面的に感じるはずだ。

 

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