新聞に掲載された三面記事が基に制作された映画で、つまりは実話なんですね。そのテロップがオープニングに出るわけですが、願わくば完全なフィクションであって欲しいと見終わった時に思いました。もちろん映画ですから史実と違う部分もあるようですが、なんともいたたまれず、平凡で退屈な日々すらこの上ない幸せなことなんだと思い知らされます。荒んだ少女が徐々に更生していく姿は、人生という道に光が差し込むかのようです。ただしそれはいつ発生した雲に隠されてしまうかもしれないという僅かな光。それでも前向きに頑張り始める姿が印象的で、見ている側も知らず知らずのうちに応援してしまいます。そのまま進んで人生を取り戻せと。ついてないと言えばそれまでかもしれませんが、そんな言葉で片付けるのも不謹慎だとエンドロールに流れる白い文字を見ながらあれこれと考え込みました。重い映画ですが、見ておくべき一作ですね。
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