天童荒太による長編小説を映画化したもので、原作は第140回の直木賞を受賞しております。公開されたのは2015年。映画も2時間18分となかなかの長丁場で時間だけを前にすると大作の予感がしてきます。ただそんな期待をブロックするかのオープニングについ眉を寄せたりも。このどこからともなく聞こえる声が映像の中に入ろうとする気持ちに待ったを掛けるんですよ。謎めいた雰囲気は十分なんですけどね。何か音声のカーテンで遮られているようで気持ちが離れます。そして謎の行動。徐々にその意味は判明して行きますが、抑揚があるようでないようで、二時間耐えきれるのかと不安にもなります。それにいい刺激をもたらしたのが存在感のある記者でしょう。無味無臭に近い映像にピリッと辛い味を添えてくれます。見る側としてはむしろこちらの方がメインでも良かったんじゃないかって思えるほど。いずれにしても難解な映画ではありますね。
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