鍵 THE KEY
ただ今の時刻では網戸一つでも問題ないほどで、数日前の熱帯夜は
どこへやら。気のせいか、秋の気配さえ感じるほどの涼しさがあります。
そういえば、休みに入った途端、急に天気予報も曇りや雨のマークが
並んでしまい、思わずあまりプールは行けなかった去年を思い出した。
明日の天気あたりでも外れることがあるので、今は楽観的に始まった
連休を有意義に過ごすことを考えて、ひとまず映画の話でも書きましょう。
今宵に見たのは以前から少々気になっていた作品の「鍵」であります。
サブタイトルにTHE KEYと付きますが、1959年上映の鍵のリメイク。
原作は谷崎潤一郎で、今回観た1997年の川島なお美版は、なんと
4回目のリメイクとなるようで、伊豆の踊子、潮騒に迫る勢いを感じます。
驚くのは海外でもリメイクされている点。と、なるとかなり有名な映画と
思われるわけですが、恥ずかしながらこれがオリジナルと思ってました。
気になってたけど借りられなかったのは、ジャケットの写真でしょうか。
それが象徴するように、こちらの映画は文芸ドラマと言いつつも、
実際はエロティック・ドラマで、当然R指定になっている。原作にどれだけ
忠実なのかはわかりませんが、一風変わった映画であることは確か。
見所は若くしてこの世を去った川島なお美の美しさになりますかね。
極道の妻たちに出た川島も可愛らしくて良かったですけど、この鍵でも
見事なプロポーションを披露しています。そんな美人妻と対比するかの
変わり者の柄本明とのやり取り。今年の漢字的に書くなら妙となります。
さらに言えば、もっと奥深い内容があるんじゃないかとも思ってしまう。
在り来たりじゃない点では、興味を引かれますが、抑揚があるようで
無いので少々退屈に感じる。こうなると1959年のオリジナル作品の
出来が気になるところで、チャンスがあったら見てみようと思います。