ワン・デイ 23年目のラブストーリー
映画より先に原作を読むケースはほとんどありません。アニメの実写化は
例外としても大抵は映画が先になる。もちろん曖昧な部分もありますから、
絶対とは言い切れませんが、川端康成の伊豆の踊子なども原作は映画を
見てからだった。映画の影響で購入した初めての原作はシェーンでした。
脳裏に浮かぶ映画のシーンを思い浮かべつつ読んだ覚えがありますが、
想像力が乏しいせいか、映像や音楽が流れない本は退屈に感じてしまう。その為、浅田次郎の地下鉄に乗っても初めの数頁で二週間ほど掛かって
しまった。読み始めるといい感じで睡魔が訪れ、導かれるまま眠りに着く。
もっとも映画でもそういったパターンは無きにしも非ず。昨夜見た映画は、
2011年のイギリス映画。「ワン・デイ 23年目のラブストーリー」で原題は
One Day。日本語のサブタイトルが効果的な役割を果たす典型的な例で、
一目でどんなジャンルか、感動やときめきと言った予感を見る側に与える。
とは言え、盛り過ぎたタイトルも裏を返せばしっぺ返しを食う例も多々あり、
どちらかと問われれば、この作品もそれに属するような気がしてならない。
どこにでも存在する恋愛話。これもいわゆるある愛の詩の一つとも言える。
一人の女性の持つ人生の線路に寄り添っては離れる列車のような男達。
真面目なエマと自由奔放なデクスターとの出会いは大学の卒業式だった。
お互い惹かれ合いながらも、そのまま親友として付き合うことになる二人。
エマを演じるのはアン・ハサウェイで声優は小松由佳。久々に聞く小松の
アンはしっくりきてて良い感じですね。髪やメイクでの変わり様も注目です。
一方のデクスターはイギリス人俳優のジム・スタージェスが演じる。声優は
川田紳司。衝撃的なワンシーンこそが印象に残りますが、それ以外は正直
盛り上がりに欠けて少々退屈です。内容からすればドラマは盛りだくさんと
言っても過言ではないでしょう。ただし、それが感動に繋がるかは別の話。