潜水艦イ‐57降伏せず
以前、潜水艦の映画はその地味さ加減からまったく興味が沸かなかった。
しかし、ある時にふとその地味の中に存在する攻防の面白さに気付いて
急にあさりまくるように見はじめましたね。十数年前くらいの話でしょうか。
すでに所有する映画は二桁に及びますが、洋画が圧倒的に多いですね。
U‐ボートに日本人が一緒に乗船と言う、ラストU‐ボートもありましたが、
日本純粋のいわゆる邦画で思い当ると言えばローレライでしょうか。
ただし、この作品に関しては役所広司くらいでほとんど記憶にありません。
映像はきれいなんですが、どうも日本物は緊迫感に欠けるんですよね。
もっと他に邦画での潜水艦ものはないのかと思っていたら、発見しました。
それが「潜水艦イ‐57降伏せず」です。イ‐57ですよ。いかにも日本らしい
タイトルじゃないですか。おまけにモノクロ。こんな時代にも潜水艦の
映画を作っていたのかとすら思いましたね。ちょっと喜びさえありました。
1959年の作品は日本初の潜水艦の題材映画とされていたようですが、
実はその前にも作られていたらしい。そちらもぜひ見てみたいですね。
出演者は池部良、三橋達也と言った面々で、太平洋戦争で敗戦濃厚と
なった日本海軍の話。こうなると妙に実話らしく見えてきたりしますね。
作品が古いのでどうかと思いましたが、意外と映像は悪くない。ただし、
音声についてはノイジーではないものの、セリフが聞き取り辛い箇所が、
けっこう多かったりします。ただ、それがまた不思議と臨場感を増します。
それと潜水艦に缶詰になった男たちの汗のにおいが漂ってくるようです。
さすがに戦闘シーンは今時の映画には遠く及びませんが、白黒なのに
カラーフィルムを使うとか、割と凝った撮影をこの時代にやったようです。
三橋達也も若いですね。古い映画ですから当然ですが、池部良演じる
艦長がまた良かった。すべてがあの時代の日本と言う映画でしょうか。