★気ままに自宅で映画観賞★

  あれこれ好き勝手に映画感想。カクヨムでもあれこれ執筆活動中。

浅草キッド

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見ようか見まいか迷っていたのが、ビートたけしの自叙伝と歌を基に制作した本作。着想から7年かけて映像化したもので映画化は初となります。北野監督の映画はすべて見ているので流れで行くと見る方向なんですが、大泉洋がブレーキペダルに足を載せる。ファンの方には申し訳ないんですけどね。派手めな演技がどうもという感じでして。それでもAZMさんに背中を押してもらい視聴しました。ちなみに今回の脚本、監督は劇団ひとり。今後はこの路線で行くのではないかと思われるほどの才を発揮しています。全世界独占配信の本作は所謂師弟愛をテーマにしていますが、映像もきれいで浅草フランス座と共に、たけし本人の歌が映える。そんなたけしも幻の浅草芸人役で愛車ロールスにて登場します。見ていて驚いたのが、たけし役の柳楽優弥。それこそ派手さはないがしっくりくる。見てるとだんだん本人に見えてくるから不思議。良い映画でしたね。

ザ・ブリザード

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原題はThe Finest Hours。邦題だとてっきり雪のパニックかと思ったんですけどね。車が脱輪した程度ですから、もうちょっとひねったタイトルが良かったでしょうか。2016年の本作は沿岸警備隊による救出劇を描いたもので、エンドロールの画像などでもわかるように実話をもとにしたもので、とにかく荒れた海でのシーンは迫力満点。どのように撮影したのかと目を見張ります。スケール感や迫力などは前回の宇宙の映画に匹敵するか、それ以上。ただしこれはリアルな世界なので怖さも現実的です。遭難し船体が真っ二つになったタンカーと、それを救助に行く警備隊員。それと主人公の恋物語。これら三つが映画の中で繰り広げられていきます。ストーリーを欲張ったかなという感もしないでもないですが、小型の救助艇で向かう時などは見ている方が半ばあきらめてしまうほどです。お偉いさんを最後にギャフンとやってくれたらもっと良かったけど。

ブラックホール

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こんな映画を知らなかったとは、うっかり八兵衛に笑われそうです。1972年ですから約40年前。それでこのクオリティとはまさに目から鱗。当時の衝撃たるやすさまじいものがあったんじゃないかって見ていて思っちゃいましたよ。もちろん、CGを見慣れた者にとっては古めかしくも感じるでしょう。それはあくまで現代と比較した話であって、そのスケール感などは一歩も引けを取らないのだから立派。人気作でもある『スター・ウォーズ』が、この五年後ですから、少なからず影響を与えたのではないかと個人的には思ってしまいます。宇宙や宇宙船、あるいは愛らしいロボットなど、通じる部分は多々あります。音はするけど絵は出ない。そんな古い映画あるあるで、オープニングは戸惑ったりもしますが、SFを存分に堪能できる一本であることは確か。最後までハラハラさせるストーリーも一見の価値ありです。リメイク版の企画もあったらしいです。

東京ゴッドファーザーズ

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タイトルや見始めた直後に感じたのは率直に言ってあまり良い印象ではない。つまりはハズレを引いたである。とりわけ特筆すべき映像でもなし、やや騒がしいやり取りにもそんな思いを抱いたのだろう。しかし、これが不思議なことに遠浅の海を徐々に沖に向かって歩いていくような感覚で見続けていられる。キャラの立ち位置などもわかって、おおよそのストーリーが見えてきたのもあるのだろうが、先行きが見えないような見えるような、二転三転するかの物語が見ている者を引き込んでいくのかもしれない。物語は三人のホームレスがクリスマスの夜に赤ん坊を拾うというところから始まる。コメディタッチでありながらもそこにはリアルな現実が垣間見える。彼らを取り巻く人々、そして彼らの抱えてる複雑な過去や思い。時にそれが胸を締め付けたり、思わず笑ってしまったりと、映像ありきの非現実的なアニメから見れば、遥かに理解しやすい作品だ。

エクソシスト3

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オカルト映画の金字塔と言えばやっぱり第一作目よねって異論を唱える人はいないんでしょうけど、続編あるあるでその後のやつはダメだったわ。新しいのも見て映像は良かったけど、何かテイストが違うのよ。そこへ行くとこの3は物語も一作目の続きって感じで、個人的には一押しよ。だってカラス神父が登場するんですもの。そう、このジャケットにある階段から落ちた人。出た時には思わず、キターーッって織田裕二のように叫んじゃったわ。それでも前作の2は凌いだけど一作目には及ばないって感じね。足元とは言わないけどせいぜい膝あたりまでってところじゃない。その一番の要因は悪魔祓いがメインじゃなかったってことかしらね。部分的にはあるんだけど、あっと言う間に終わっちゃうんだもの。だからなのかエンディングもちょっと解せない感じ。今回が二度目だけど、怖さで言ったらレクター博士の方が数倍も上って感じかしらね。

1917 命をかけた伝令

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早々に描いていた概念がひっくり返されてビックリさせられます。主役は誰状態。このあたりでも掴みは良いのですが、驚くのはそのカメラワーク。そういえば公開時にもそのことに触れていたような気も。見始めた時にはすっかり忘れていたのですが、だんだんアレって分かってくる。すると今度は一体どうにやってと疑問ばかりが浮かんでくるんですよ。あまり今まで見た記憶がない感じです。まさに呆気にとられます。実際のところはワンカットじゃないらしいですけどね。そのようにしか見えないのはあっぱれです。戦場も生々しくて、一兵士になったかのような気がします。セットなのか既存のものを使ったのか、とにかく情景だけでも見応え度満点です。だからなのか兵士の緊迫感がより伝わってきて、ハラハラの連続です。同時に思ったのはこの任務は自分では無理だということ。断言できます。それも力強く。ドンと大きい音が苦手な人は要注意。

ニュー・シネマ・パラダイス

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映画ファンには有名なタイトルです。それでもご縁がなかったのか、ここに来てようやくって感じですね。出来れば吹替で映像に集中したかったところですが、今回は字幕で音声はイタリア語。日本では89年に公開された本作の上映時間は国際版となる124分。映画としては定番ともいえる時間ですが、ディレクターズカット版もあるらしく、こちらは170分と大作です。内容を見ると二時間でも十分な気もしますけどね。話はタイトルが示すように映画にまつわるストーリーで、さながらその劇場が人間の人生にも思えてくる。誕生、繁栄、衰退。どことなく物悲しくも見えてきます。それと並行するように主人公のトトの歩みがうまいこと重なって、なかなか見ごたえのある映画です。耳になじみのある音楽も良いですね。担当するのはエンニオ・モリコーネ。あの夕陽のガンマンなどでもお馴染みです。形見でもらった映像に彼は何を思ったでしょうかね。