不要不急の外出やら、つい先だっての長雨やら、2020年の今年をまるで予知していたかに思えて来るのが2019年の7月に公開になった本作。さすがにここまで降ればファンタジーどころか一端のパニックムービーですけどね。手掛けたのは御存じ新海誠。今回も期待通りの新海映像を存分に見せてくれたってところでしょうか。特に光と影、そして水に関してはどのアニメも寄せ付けないプライドのようなものすら感じさせ、その映像は一見の価値有とばかりに目を引き付けますね。さすがとつい呻ってしまいそうです。4Kの有機ELで見たらそれこそ圧倒されるんじゃないかって思ったりも。物語の方は予想に反してかなり現実的で、違和感も無く自然に入って行けます。そのせいか、後半とのギャップを大きく感じてしまって、人と一緒に脳みそも回転してしまう感じです。結局分かったのか分からないのか。静止した脳に自問し続けてちょっと後味が悪いですかね。従って本作を楽しむ場合はストーリー3割、映像7割くらいが良いでしょうか。
●ちょっとひとこと●
少し前から読み始めていた浅田次郎のプリズンホテルをようやく読破致しました。浅田作品は一昨年ハッピー・リタイアメントを読んで以来ですが、彼特有の詩人的で高次元な表現等々で頭を悩ませる部分もありますが、それを除けばかなり楽しめる作品だと言ってもいいでしょうね。全部で4冊ありますから読みごたえも十分です。少し利口になったらまた読んでみたいですね。
庭の植木に代わって昨夜の雨にお礼申し上げます。