1997年に公開された本作は川上宗薫の遺作を映像化したもので製作は日活。とくれば自ずと内容が見えて来るのではないだろうか。あるいはオールナイトで見に行ったなどという方もおられるかもしれない。まさしくここにあるのは昭和のエロス。ロマンポルノ50周年記念でDVDが復刻された本作の主演はアイドルグループ、元セイントフォーのセンターボーカルを務めた濱田のり子で、化粧の具合などもあるのだろうが、男を引き寄せるような色気を発している。見せ方や映像のクオリティはいかにも昭和だが、それがまた現在と比較すると新鮮で艶めかしさを感じさせる。製作費云々もあるのだろう。作風は正直チープだ。もっとも数作ってなんぼという時代や考え方もあるかもしれないので、衝撃はあっても感動までは望む方が野暮だろう。ただ、背徳の欲望という点についてはうまく描かれている気がする。古きを訪ねて新しい刺激を知るのはどうだろう。
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