2023年公開の本作は題名を「TOILET MAN」にした方がしっくり来る気がします。いかにも日本映画って感じですがなんと日本とドイツの合作で監督と脚本はヴィム・ヴェンダースというドイツの映画監督。言われてみれば邦画らしからぬ映像って気もしないでもないですが、とにかく抑揚に乏しく、例えるなら市街地を自転車で一日走って来るとでも申せばいいでしょうか。それもほぼ同じ道。ただ時には工事して迂回したりすることもあるし、多少の勾配などもあるでしょう。決まった時間に出て淡々とペダルを漕ぐ。台詞は極めて少なく活動するために呼吸している程度。こうなると演技がものを言いますが、その辺りはさすがの役所広司だと思うのが五割。残りの五割は彼のポテンシャルが封印されてしまっている残念感でしょうか。とは言え、人間、普段の生活をなぞると決まったようなルーティンで時間を過ごしているってことなんでしょうかね。
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