角田光代の小説が原作となってますが、タイトルからつい松本清張が頭に浮かびました。砂の器、霧の旗等、実態がある様で無い彼独特の表題はお馴染みでもありますからね。おまけにスリラーとなれば尚の事です。それはともかくとして、この2014年の公開作品、ストーリーに多少の抑揚は有るとは言え、全体的に物静かで淡々と展開していきます。台詞の切れる。あるいは思考する静寂と言う間に見せ場が潜んでいる。そんな印象すら受けます。主演は宮沢りえ。地味な主婦をそこそこ演じておりますが、銭湯の話などから比較するとやや物足りなさはあるでしょうかね。横領に手を染めて行く様などはスリリングで良い緊張感も伝わって来るんですけどね。どうせならかつて話題の写真集も出しているのですから遠山の金さん以上に人肌脱いでもらっても良かったのではないかと。後半は予想に反した展開でしたけどね。ただ、それ故レクター博士どこへみたいな不可解な余韻がそれまでの雰囲気を壊したようにも思えます。
●chibigori’s voice●
シーズン11まで来ました。前に話した日本統一であります。なんだ続きがあるんかい。と映画じゃないことに一度はがっくりしたものの、これが見始めるとハマってしまう。仁義なき戦いをより細かく、さらに現代に蘇えらせた感じで、テイストとしてはゴッドファーザーも髣髴させる。宛ら本宮泰安がアル・パチーノって感じでしょうかね。まだまだ先が長そうなのでどうなることやら。