中井貴一と佐々木蔵之助のダブル主演となるのが2018年公開の本作。内閣支持率2.3%の総理でも痛感させられたが、中井はシリアスな役よりこの手の役どころの方が真価を発揮するような気がしてならない。恐らく開始早々五分も経たずに彼の醸し出す佇まいに言わんとすることが理解できるはずだ。まさに水を得た魚。タイトルから内容も有る程度想像がつくため、違和感を少しも感じることなく物語に入って行ける点も良く、中井、佐々木のやり取りで一気に物語に引きずり込まれる。コメディとしての掴みは十分だ。この役のために古美術関連の書籍を読んだとのことだが、その努力が決して無駄になっていないことは一人の古美術商にしか見えなくなってくる点でも明らかだ。唯一惜しまれるのは、少々欲張り過ぎたところか。ブレーキを踏んでも止まらず停止線をズルズル越えてしまうかのラストは痛快な気分に水を差されるようでどうにも解せない。歯切れよく終わってくれた方が気持ち良い余韻を感じられたはずだ。
●chibigori’s voice●
昔はガラス製の灰皿なんか使ってたことがあるんですが、いつのころからか車で使う蓋つきのプラスティックのやつになりました。ポンと入れると火が消えるので灰皿から突然煙が立ち上るなんてこともないし、匂いも然程気にならないと使ってみるとけっこう便利です。それがこの間ちょっとした不注意で蓋の部分の爪を壊してしまいまして、同じものをまた買いに行きましたよ。