上映時間二時間。それを長く思わせない邦画ならではの味わいが堪能できる一本だ。公開は2023年の今年。視聴者にストーリーを考えさせていくかの展開はまさにサスペンスだが、映像を見る限り難解ではない。徐々に霧が晴れていくように頭の中で映画の流れがつかめて来る。このあたりは妙な心地良さもある。ただし、タイトルにある村が本作のテーマであるが、長閑な山間という風景を感じさせつつも、内容に至ってはリアルな過酷さがあって、上映中は絶えず胸を締め付けられるようだ。主演は横浜流星。この生きているか死んでいるかという表情が素晴らしく、つい見入ってしまう。無論、その変わり様にも驚かされる。この演技は必見と言ってもいい。監督は藤井道人で脚本は彼のオリジナル。場を盛り上げるような音楽が少ないのも効果的で、誰が何を考えている。登場人物の表情からそれぞれの感情を読み解きながら、じっくりと構えて見て欲しい。
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