3・11の東日本大震災。それの岩手県釜石市に設けられた遺体安置所を描いた作品で、メインとなるのは津波などで亡くなられた遺体だ。ジャーナリストが見て来た報道では伝えきれない部分とあって見ているだけで気持ちが滅入って来る。次々と運び込まれてくるのだから無理もない。しかし、これは夢物語ではなく実際にあった現実なのだ。映画としては記憶に残すために津波などを描きたくなるかもしれないが、その手のシーンは言葉だけで一切映像としては出ない。被災された人への配慮などもあるのだろう。だからと言って本作がそれに劣るとも思わない。時間は105分と映画としては短い部類ではあるものの、現実を突きつけるにはそれでも十分。タイトルには十日間とあるが、実際十日で出来たことを伝えているだけでこれで終わりではない。ほんの序章と言っても良いだろう。また本作は釜石市だけだが、ここだけではないことも忘れてはならない。
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