公開は2023年とあって映像は迫力も十分。終戦まじかに迫ったドイツでの話をサスペンスタッチで描いている。ドイツ軍の脱走兵が逃げるところから始まるのだが、この辺りもただならぬ緊張感が漂っていて、つい当たりを引いたと予感させる。展開としては面白い。ただ、あくまでこれは映画として見ているからで、戦争自体を喜んでいるわけではないことを付け加えておく。しかしながら、ナチスのお偉いさんは存在感が抜群で良い。悪は悪いほど映える。まさにこのノリである。とは言え、少々欲張った作品であることも確か。結果的にはうまくまとまった感はあるものの、結局はなんだったのかという疑問が残る。二時間を超える大作でなかったのが幸いだろう。ただし、つまらなくはない。ドイツがドイツの戦争をブラックユーモアを交えて制作した。ワンフレーズで語るならばこんな映画だろうか。いずれにしてもこういうのは映画だけにして欲しい。
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